先日、マルイエポスカードから、保険の案内が届きました。
カードを持っている人は「無料」で加入できる保険だということで、無料の文字を二度見しつつ封筒を開けました。
説明を読んでみると、「交通事故によって5日以上入院した場合、入院一時金として3万円を受け取れるプランに3年間、無料で加入できます」とあります。
ただ申し込むだけで、もし交通事故にあったら3万円もらえるかもしれない──。これは入って損はないと思って、申込書に必要事項を記入するとこまで進みました。
同封されていた手紙によれば、この案内は2回目だったみたいです。1回目は単なるダイレクトメールだと思って捨てていたんでしょう。ずいぶんと熱心に勧めてくるんだなぁと感心してたのですが、よく考えたら何かおかしい。
マルイに何らかのメリットが発生するから2度もダイレクトメールを送ってきたのかな・・・。細かい字で書かれた説明書を目を皿にして読んでみると、この保険は丸井がチューリッヒ保険に委託しているようです。
──ああ、保険会社に個人情報を売るんですね。
よし、なら保険に入るメリットと個人情報を売るデメリットを比べてみよう。理系の血が騒ぎます。
内閣府の平成25年版交通安全白書によれば、2012年中の交通事故発生件数は66万5138件で、死傷者数は82万9807人(死者数は4411人)。人口は1億2760万人(2012年)ですから、1年で交通事故で負傷・死傷する確率は0.65%です。
ただ、この数字には軽症の人もかなり含まれています。5日以上入院するって骨折しているくらいの相当の怪我ですから、ここはざっくり10で割って0.065%とします(死傷を負傷+死傷で割ると約200分の1だからこんなもんでしょう)。
あと、自分はいつもの通勤で地下鉄を使ってます。家から駅までは5分、会社は駅に直結なので車にひかれそうな場面が少ないです。また、車を持っておらず、車に乗るのはたまにレンタカーで旅行に行くときくらい。交通事故のリスクは平均よりも半分くらいでしょう(本当はもっと低いと思いますが)。
というわけで、私の場合、1年間で交通事故によって5日以上入院する確率はざっくり0.033%。3年間に直すと、(1-0.99967^3)×100=0.099%。約0.1%です。つまり、この保険の期待値は3万円×0.001=30円。がっくり。
30円で個人情報あげるのは「何となく嫌だ」と思って、申込用紙を送るのはやめました。
丸井としてはダイレクトメールを2回も送っているわけで、100円以上のコストをかけてでも取りたかった(それよりも高くチューリッヒに売れる)情報なのだと思います。
何となく、住所、氏名、年齢、趣味、購買傾向くらいの個人情報で自分的に500円くらいはしてほしいと思っているのですが、この価値ってSNSが普及して徐々に下がってるんでしょうね。